近傍運用シナリオの検討
MMXミッションは,火星衛星からサンプルを持ち帰ることで,その起源を明らかにし,火星圏の進化史に新たな知見を加えることを目標としています.この世界初の火星圏からのサンプルリターンを実現するためには,火星圏への往還技術,火星衛星への到達技術,表面への降下・着陸・滞在技術,さらに天体表面での高度なサンプリング技術が必要となり,これらの技術獲得も宇宙工学としてのミッション目的になります.現在の想定では,2024年に探査機を打上げ,2025年から2028年までおよそ3年間火星圏に滞在,2029年に地球帰還の予定です.