MMXレゴ模型製作秘話

研究開発部門 第三研究ユニット 菅原啓介

 

JAXA研究開発部門の菅原です。

普段は主に人工知能に関する研究や地球周回衛星プロジェクトの支援を行っているのですが、昨年秋頃からMMXプロジェクトの業務にも携わるようになりました。ウェブサイト等でMMXの探査機の3Dモデルを初めて見たときの率直な感想は、「カッコいい!」と「地球周回衛星とだいぶ違う…。深宇宙探査機のことはしっかり勉強し直さないと」というものでした。一方で経験上、仕様書の文章やイラストだけを見るだけでは理解に時間がかかってしまったり、孤独な作業になってしまったりして効率が悪くなるという懸念があり、どうしたら効率よく勉強できるか考えあぐねていました。

そんなある日、同じ執務室の先輩職員がレゴでとある宇宙機の模型を作っているのを目にしました。それを見て「子供のころによくレゴで遊んでたなあ」と懐かしむと同時に、「MMXの模型もレゴで作ってしまおう!」と少年心に火が付きました(奇しくも小学生のころ初めて買ってもらったレゴブロックセットは火星基地を題材とした”Life on Mars”というシリーズのものであり、何か運命的なものを感じました)。

 

そして実際に模型を作りながら構造について考えたり、機器の役割について考えたりすることができ、早く理解が進んだと感じました。また出来上がった模型を手に取りながら構造や運用について複数人で議論することもできました。例えば姿勢制御スラスタの向きは、先輩職員と実際にスラスタのパーツをいじりながらアイディアをいただき、考えました。

こだわりポイントは次の3点です。

 

1.薄膜SAPの展開

MMXの3Dモデルを見たとき、まず曲がった薄膜SAPのかっこよさに目を引かれ、板状のブロックを重ね合わせて曲面を表現してみました。またいわゆる関節パーツを駆使して、折畳みと展開もできるようにしました。

 

2.往路モジュールの分離
MMX探査機の特徴として、機体が往路モジュールと帰還モジュールに分けられていることが挙げられます。本体の分離という機能は、基本的にSAP展開後は形を変えることのない地球周回衛星にはないものであり、これはレゴ模型でも妥協せず再現したい! と思い組立てました。両モジュールはピンで留まっており、これを引き抜くことで分離することができます。

 

3.ショック吸収機能つき着陸脚

着陸脚には、ショックを吸収するような機構を取り入れました。

ウェブサイトで見られる3Dモデルでは着陸脚は探査機本体に固定されており、特に可動なギミックもないように見受けられるため、この着陸の仕組みは私の想像が入ってしまっていることをご了承ください。

この機構により、そこそこの高さからレゴ模型を落としても安全に着陸することができます。「実際に落としてみることができる」という模型ならではのメリットと、「落として壊れてもまた説明書に従って組立てれば元通り」というレゴのメリットを実感しました。

 

これら3点のポイントにより、「ロケット分離後のSAP展開→惑星間航行→往路モジュール分離→着陸→帰還」という一連のミッションシーケンスを再現して楽しむことができます。どなたかH3ロケットも作ってくだされば、打上からフェアリング分離までのシーケンスも再現できますね!

ここからは実際に作ってみたいという方向けの内容になります.

まず,必要となるパーツは下記リンクの通りです.

MMXパーツ一覧

 

簡単に作り方もリンク先で紹介します.少し長いですが是非作る時の参考にしてみてください.

HowTo

 

 

補足説明についても図を載せておきますね!