火星衛星探査計画(MMX)におけるCNESとの協力

署名後握手するCNESル・ガル総裁(左)とJAXA奥村理事長(右)

現場レベルで調整してきた日仏協力をよりフォーマルなものにするために、火星衛星探査計画(MMX)の検討に関するフランス国立宇宙研究センター(CNES)との実施取決めの締結、及び、その署名式を4月10日に行いました。署名者はJAXA奥村理事長とCNESルガル総裁です。ルガル総裁のご挨拶では、「Martian Moons eXploration (MMX) は、次の10年間で最も刺激的なミッション」という評価もいただきました。

フランスとは、以下の3件での協力を検討します。

(A)近赤外線分光観測器(MacrOmega):火星衛星近傍にある軌道から、その表面を近赤外という波長域で分光観測してマップを作成します。このマップは衛星表面にどのような鉱物が分布しているのかを示します。他の情報を示すマップと合わせて、衛星のどこに着陸してサンプルを採取すべきかの判断材料とします。観測器はフランスと日本メンバーとで共同開発されます。フランスは、ESA火星探査機MarsExpress, ExoMars等に同様な観測機器を提供するという高い実績があります。

(B)衛星近傍でのフライトダイナミクス検討:探査機は衛星近傍の軌道からリモート観測も行いますが、この軌道上の運動は火星重力圏にあって衛星の影響下にあるというもので研究の対象としても面白いものです。効率的な運用計画を構築するために共同検討を実施することは効果的であると考えます。

(C)火星衛星を探査する小型ローバの検討:探査機は衛星に着陸しますが、その時に移動可能な小型ローバを展開し、着陸点だけでなくその周囲の情報も獲得するというアイディアは、大変魅力的なものです。CNESは、ドイツ航空宇宙センター(DLR)と協力して、はやぶさ2にMASCOTという小型ローバを提供しています。今回、探査機に搭載する小型ローバの提供を積極的に考えていくことになりました。